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歴史上の人物名からなる商標登録出願


 徳川家康、本居宣長、夏目漱石などのように歴史上の著名な人物名は、その名声から広く人々に親しまれ、特にその人物の縁の地では強い顧客吸引力を有します。  したがって、土産品の製造販売業者など、ぜひともその氏名を商標登録して独占使用したい人は少なくないと思われます。
 現行の商標法において、これらの商標の登録を排除する明文の規定はありません。
 しかし、これらの歴史上の著名な人物は、縁の地において偉人として敬愛の情を持って広く親しまれていることも多く、特定の業者による独占的な使用に馴染ません。 また、その偉人に相応しくない不適切な商品への使用など使用方法によって、不快感や反発を持つ人々も現れると思われます。
 さらに近年では、地域のまちづくりや観光振興のシンボルとして、歴史上の著名な人物の名前を用いた施設の整備や催しものの開催等が行われており、 これらの商標の登録を認めると公益的な事業の遂行に対し支障が生じる恐れがあります。

 上記のような実情を勘案して、特許庁は平成21年10月に商標審査便覧を改定し、「歴史上の人物名からなる商標登録出願の審査においては、商標の構成自体がそうでなくとも、 商標の使用や登録が社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するような場合も商標法第4条第1項第7号に該当し得ることに特に留意するものとし、 次に係る事情を総合的に勘案して同号に該当するか否かを判断することとする。」とする内容を追記しました。

 では、歴史上の人物名は商標登録をすることができないかというと、そうではありません。 商標審査便覧はあくまで特許庁内での指針の一つに過ぎず、また便覧上も種々を総合的に勘案して判断するとしております。 最近では、「北斎」の名を含む商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして拒絶された後に、裁判において当該審決が取り消された事例があります(平成24年11月7日 知財高裁平成24年(行ケ)第10222号)。

 しかしながら、この判決を見るに、歴史上の人物名のみからなる商標が非常に困難であること、登録後の権利範囲が著しく限定されること等、登録は今後も困難であることに変わりはないと思われます。

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