商品・役務の類否判断方法(その5)
「商品・役務の類否」の判断基準として4つの基本的な区分があることを「商品・役務の類否判断方法(その1)」で説明しましたが、商品やサービスである役務の類否判断に影響を及ぼす取引の実情を問題とする「商品又は役務の類否判断における取引の実情の考慮」について説明します。
「商品又は役務の類否」を判断する際に、商標法第4条第1項第11号に該当する旨の拒絶理由通知において、引用した登録商標の商標権者(以下「引用商標権者」という。)から、引用商標の指定商品又は指定役務と出願商標の指定商品又は指定役務が類似しない旨の陳述がなされたときは、類似商品・役務審査基準にかかわらず、出願人が主張する商品又は役務の取引の実情(「商品の類否」、「役務の類否」、「商品役務間の類否」の判断列挙した事情に限る)を考慮して、商品又は役務の類否について判断することができるものとします。
ただし、以下のような場合には、取引の実情を考慮することはできません。
@ 引用商標権者が、単に商標登録出願に係る商標の登録について承諾しているにすぎない場合
A 類似商品・役務審査基準において類似すると推定される指定商品又は指定役務のうち、一部についてしか類似しない旨の陳述がなされていない場合
B 引用商標の商標権について専用使用権又は通常使用権が設定登録されている場合にあって、専用使用権者又は通常使用権者が類似しない旨の陳述をしていない場合