海外での特許権の取得について
特許権の効力の範囲は、時期的な制限(出願から20年の間)だけでなく、地理的な制限もあります。
地理的な制限としては、特許法の及ぶ日本国内の領域だけの効力でしかなく、これを「属地主義」と言います。
従って、日本国で特許権を取得していても、この特許権を根拠に他国において他人の発明の実施行為に対して、侵害を申し立てられません。
もし、海外においても発明を基礎とした事業展開を考えられているのであれば、各国で特許権を得て発明を保護し、模倣品の排除ができるようにすることをお勧めします。
以下に、近年広く用いられるようになった「PCT国際出願」について説明します。
様々な様式・言語による各国への特許出願の煩雑さを解消し、一つの出願願書を日本の特許庁に提出するものとして、このPCT国際出願が有ります。
このPCT国際出願は「特許協力条約」という条約に基づく出願であり、我が国での一つの出願により国際出願日が認められ、原則としてこの国際出願日がすべてのPCT加盟国における実際の出願日とみなされます。
このため、PCT国際出願によれば、すべてのPCT加盟国に同時に出願したことと同じ効果が得られます。