著作物の教材への利用
教員の中には、学校の授業等で使用するために、英文記事や科学雑誌の一部など他人の著作物を切り貼りして教材を作成する方も多くいらっしゃると思われます。
本来、このような行為は他人の著作権を侵害することとなります。しかしながら、著作権法には、一定の場合に無断で他人の著作物を利用できる例外規定があります。
例えば、学校の授業で使用するための教材を教員等の教育を担任する者が作成する場合には、著作権法第35条第1項に基づき、著作権者の許諾を得ずに公表された著作物を複製することができます。
ただし、営利を目的とするものは除かれますので、予備校や塾等の講師等が教材を作成する場合は該当しません。 また、教員が複製する場合であっても、複製が認められる範囲は「必要と認められる限度」内でなければならず、全ての場合に無許諾で複製できるわけではありません。
例えば、生徒数をはるかに上回るような複製は、著作権者の利益を不当に害することとなるとして認められないと考えられます。
他人の著作物を授業で使用するための教材を作成する際は、このような点に注意して、著作者の権利を尊重する意識をお持ちください。
なお、授業で使用するために複製が認められる場合も、出所の明示を行う必要がありますので、作成した教材には著作者名や書籍名、出版社名等の出典を明記するようご注意ください。