日本製鉄の特許侵害訴訟について(その3)
トヨタ自動車株式会社と共に、日本製鉄株式会社(以下、「日本製鉄」)に特許侵害で訴えられた中国鉄鋼メーカーである宝山鋼鉄股份有限公司について、以下に説明致します。
韓国の製鉄大手メーカーである株式会社ポスコ(以下、「ポスコ」)の元社員が「方向性電磁鋼板」の技術を中国の鉄鋼メーカーである宝鋼集団に売り渡したとして、十数年前にポスコが提訴しましたが、裁判で元社員は「渡したのはポスコの技術でなく新日本製鐵株式会社(以下、「新日鉄」)の技術」であると証言しました。
このことで、新日鉄の技術が韓国のポスコ経由で中国の宝鋼集団に漏洩したことが明るみになりました。
なお、新日鉄は住友金属工業株式会社と合併して現在の日本製鉄となり、宝鋼集団は2016年12月に武漢鋼鉄集団と合併し、宝武鋼鉄集団となりましたが、問題の宝山鋼鉄股份有限公司は宝武鋼鉄集団の子会社にあたります。
つまり、宝山鋼鉄股份有限公司は、過去に新日鉄(現日本製鉄)から間接的に技術が漏洩された宝鋼集団の合併後の宝武鋼鉄集団の子会社ということになります。